肩甲骨の調整が終わったら次に体幹の調整です。
体幹を強くすることはまず体幹を柔らかくすることです。
固いものは弾力がないためふとしたはずみで折れてしまいますね。
柔らかくあれば全体が竹のようにしなりその柔軟な動きのなかで軸ができあがります。
刻々と変化する体の動きの中で軸がしっかり決まることが重要なのです。
ですから体幹を鍛えることはまず体幹を柔軟にすることであり
その柔軟さを意識することから始めることが最も重要なのです。
さまざまな本の中に書いてある体幹のトレーニングはとてもよいのですが
この段階をいきなり飛び越えてしまうと体を壊す原因になります。
そのための動きとしてあるのがクロウリング。
体幹の動きを感じてそれを柔軟にするメソッドです。
では始めましょう
クロウリング編
4.体幹長方形スライド
ア 四つん這いになります。
イ 背中にきれいな長方形を作ります。
ウ 左肩と左腰を左側に平行移動します。
エ 背中の長方形の形は崩しません。
オ ゆっくり行い左右を数回ずつ繰り返します。
体幹を変形させるような感覚です。でも背中の長方形は崩しません。
これは体幹の柔軟性を高める動きです。
体幹の揺れや動きを感じ取ってください。最初は違和感や固さを感じると思います。
無理をせずゆっくり継続していけば体幹の柔らかさを感じるようになります。
またこの動きは、疲れた体を癒してくれます。
5.体幹平行四辺形スライド
ア 四つん這いになります。
イ 背中にきれいな長方形を作ります。
ウ 左肩は左側に右腰は右側にスライドさせます。
エ 背中の形は平行四辺形になります。
オ ゆっくり行い左右を数回ずつ繰り返します。
体幹長方形スライドよりも少し難しいですが、繰り返し行うことできれいな平行四辺形ができるようになります。
さらに体幹を変形させる感覚です。体幹をつぶすような感覚にもなります。これも体幹の柔軟性を高める動きです。
この動きのポイントは体幹周りの筋肉や骨格に高い負荷を与えずに、柔軟性を高めることです。
柔軟な動きの中に必要な筋肉が同調することで体幹まわりの筋肉が弾力性をもって鍛えられていきます。
疲れた体をさらに癒してくれます。
ちなみにこのような平行四辺形の動きは日常動作の中にも頻繁に登場します。
たとえば高いところの物をとる、棚にお皿を置く、床のごみを拾うなど、
こうした動きはすべて体幹を軸とした平行四辺形の傾きになります。
実はこの動きは古武術などではとても重要視されているものです。
古来の日本人はこの動きを自然に行っていました。
現代では外側の筋肉を中心した動きが日常動作の主になってしまったため
どうしても肩や腰に負担のかかるものとなってしまったわけです。
長方形スライド、平行四辺形スライドはとても簡単に見える動きですので
なあんだ、こんなものかと思ってしまいがちですが
正しい方法と正しい意識、正しい呼吸とともに行うことで、
体幹の弾力性が向上し自然と姿勢もよくなってきます。
今回は体幹の動きを感じ柔軟にするメソッドでした。
次回は体幹を伸ばすメソッドをご紹介します。↓
前回の基本編① スタンドアップはこちらです↓