メソッド実践講座ー基本編③ フェイスアップ

シェアする

体幹全体の動きを感じるメソッドがクロウリングでしたが
今回は体幹を伸ばすメソッド、フェイスアップを行います。

普段私たちの身体は重力に抗っているため
頭から腰、腰から膝に向かって常に負荷がかかっています。
言ってみれば体幹は重力に押しつぶされないように頑張っているわけです。
ですので、油断をするとどうしても歪んでしまいがちです。
これは日常を生きている以上しかたがないことです。

その歪みを正すには『伸ばす』必要があります。
ただし、伸ばす動きを取り入れるにしても無理に力をいれたり
筋肉を傷つけるようなものでは逆効果になる場合もあります。

また、体幹にはその『歪み=長年の生活の癖』が染みついていますので
直立した場合、その癖が出てしまいます。
その癖のまま体幹を伸ばす動きを行うと癖がさらに助長されることもあります。

じゃあ、それを防ぐためにどうしたらよいの?
それは寝転がって体幹を伸ばすことです。
寝る姿勢での動きは重力の邪魔が入らず、筋肉や骨格を自然の状態で伸ばすことができます。
そういった意味から今回紹介するメソッドは仰向けに寝ながら行うものです。
まさにフェイスアップというわけです。
これからご説明するフェイスアップの動きは基本メソッドの中でもかなり重要な動きです。
ゆっくり丁寧にやってみましょう。

フェイスアップ編

6.フェイスアップ・ツイスト

ア 仰向けになり、両腕両脚を伸ばします。
イ 両膝を90度曲げます。

ウ 腰を一番高い位置に上げます。
エ 腰が十分に上がったら両腕を思い切り上に引き上げます。
オ 身体の負担にならないようにゆっくり腰を下ろします。
         ※腰の裏側に隙間ができるように

 
カ 両膝を一緒に左に倒します。
   ※骨盤周辺と肩甲骨周辺の筋肉が伸びています。
キ 左右数回繰り返します。

どうでしょうか?
体幹の筋肉が伸びて、とても気持ちがいいと思います。
その伸び方を観察し、感じてください。
はじめは膝が床につきませんが、次第についてくるようになります。
(でも無理に床につくために頑張らないでくださいね)
子供は、体幹が柔らかいので楽に床についてしまい、
「どこが伸びるの?」といったアクションをすると思います。
それほど子供の体幹は柔らかく、0(ゼロ)の状態にあるということです。

7.フェイスアップ・クロスレッグ・ツイスト

 ア 仰向けになり、両腕は横に伸ばし、
   手のひらは床につけます。
 イ 両膝を90度曲げ、脚を組みます。
 ウ 肩が床から離れないようにして膝を床に近付けます。
 エ フェイスアップ・ツイストよりもきつくなります。
 オ 左右数回繰り返します。
 カ 脚を組み換え、左右数回繰り返します。

どうでしょうか?
先ほどより体幹が伸ばされたと思います。
やはりここでも体幹の伸び方を感じながら行ってください。
普通に呼吸をしながらゆっくり行うのがコツですよ

8.フェイスアップ・フロッグ

 ア 仰向けになり、両膝を両手でもち、股関節を伸ばす。
 イ 足の平を合わせ、床にゆっくり下ろす。
 ウ 膝が床に近付くように少し反動をつけて股関節を伸ばす。
 エ 数回繰り返す。

普段の生活の中で股関節周辺の筋肉を使うことは意外に多いものです。
ところがこの周辺の筋肉のコリはあまり意識されることはありません。
その証拠に『肩が凝る』『腰が重い』とよく口にはしますが
『股関節が凝る』とか『股関節が重い』とはあまり言いませんよね。
でも、この周辺筋肉がこわばると、当然ながら下半身の血行が悪くなり、
姿勢を悪くしたり、腰痛の原因になったりすることがあります。
この運動でそれらが改善されます。
この種目を毎日行うことでこわばった股関節周辺の筋肉が
適度にゆるみ弾力が回復します。
この動きで注意すべきは、やはり無理に股関節を広げようとしないことです。
目的は周辺筋肉のこわばりをほぐすことですから無理をして
筋肉を痛めてしまうと歩行が困難になる場合もあります。
ゆっくりと呼吸しながら無理のないように行ってください。
長く行うことでしだいに脚の血行が改善されていくのを感じることができるでしょう。
それがゼロ状態です。

9.フェイスアップ・二ールダウン

 ア 仰向けになり、両腕は横に伸ばし、
   手のひらは床につけます。
 イ 膝を90度に曲げ少し広げます。
 ウ 片方の膝を内側に倒します。
 エ はじめは床につきませんが、次第に近づきます。
 オ 左右数回ずつ行います。

この動きによって普段なかなかストレッチできない内転筋をしっかり伸ばすことができます。
これについても床に膝がつくよにするのが目的ではありません。
内転筋を無理なく伸ばして周辺の血行をよくするための動きです。
無理をすると腰の外側や股関節の内部に痛みを残してしまいますので
気持ちいい程度で行ってください。
これも呼吸を普通にしてゆっくりやるのがコツです。
腰痛予防にとても有効な運動です。

基本編まとめ

スタンドアップ、クロウリング、フェイスアップと
基本のメソッドをいくつか説明してきました。
この1~9の運動を一連の流れの中で行うことで、さらに、効果を高めることができます。
もちろんこの中で気に入ったものを選んで行ってもよいでしょう。
 
各種目の実施回数は、くれぐれも気持ちいいと感じる範囲で行ってください。
決して無理をせず、長続きできるようにしましょう。
集中的に行うより、継続して行うことが最も大切なのです。

さて、3回にわたってご紹介したR0T123はいかがでしたでしょうか?
肩甲骨と骨盤の位置が本来あるべき場所に収まり、
体幹の柔軟さと正しい姿勢とはどのようなものかを感じていただくことで
自分の身体の感覚がかなり変わったと思います。
このメソッドを続けることで1ヶ月で身体に気づきが訪れることでしょう。

前回の記事『クロウリング』はこちらから↓

  肩甲骨の調整が終わったら次に体幹の調整です。 体幹を強くすることはまず体幹を柔らかくすることです。 固いものは弾力がないためふ...

シェアする

フォローする